インフルエンザの予防内服について
当院では、自費診療として
タミフルの予防投与を実施しております。
⚠️ 対象となる方(以下の方のみとさせていただきます)
- 高リスク患者の方
(65歳以上、2歳未満、妊婦さん、重症化リスクの高い基礎疾患をお持ちの方) - 人生において重要なイベントが控えている方
(受験、結婚式など絶対に外せない予定がある方)
💴 費用について(税込)
- 診察代(処方箋料込み): 5,500円
- お薬代(タミフル10日分): およそ3,000円
※院外処方となります。調剤薬局によってお薬代は異なりますので、相場としてご参考ください。
ご家族にインフルエンザを発症した方がいる場合、まだ症状のない同居のご家族に対して抗インフルエンザ薬(オセルタミビルなど)を予防的に内服していただくことがあります。これを「曝露後予防投与」と呼びます。全額自費診療となり、効果にも限界があるため、当院での考え方を以下にまとめます。
予防内服とはどのようなものか
- 家庭内でインフルエンザを発症した方(指標症例)が出てから、できるだけ早く、遅くとも48時間以内に内服を開始する必要があります。
- 一般的には1日1回、10日間程度の内服を行います。
- あくまで「発症を抑える」ことを目的とした内服であり、感染そのものを完全に防ぐものではありません。
重症化リスクが高い方への予防内服
以下のような方は、インフルエンザにかかった際に肺炎・脳症などの合併症や入院に至るリスクが高いとされています。
- 乳幼児(特に2歳未満)
- 高齢者(65歳以上)
- 妊娠中の方
- 慢性心疾患・呼吸器疾患・腎疾患などの基礎疾患をお持ちの方
- 悪性腫瘍治療中、臓器移植後など免疫が低下している方
こうした重症化リスクの高い方では、複数の臨床試験をまとめた解析において、曝露後予防投与によって症状のあるインフルエンザの発症が有意に減少することが示されています。世界保健機関(WHO)のガイドラインでも、こうした方々に対しては曝露後予防投与を行うことが条件付きで推奨されています。
重症化リスクが低い健康な方への予防内服
一方、基礎疾患のない健康な成人・小児(いわゆる低リスク群)については、評価が分かれています。
2024年に報告された大規模なネットワークメタアナリシス(複数の試験を統合した解析)では、低リスクの健康な方における曝露後予防投与は、症状のあるインフルエンザの発症を重要なレベルでは減らさない可能性が高いと結論づけられました。この結果を受けて、WHOの最新ガイドラインでは、低リスクの健康な方への一律の予防投与は推奨されていません。
一方で、これより前に行われた家庭内曝露後予防に関する臨床試験(コクランレビューで検証されたもの)では、健康な家族内の濃厚接触者において、症状のあるインフルエンザの発症がプラセボ群12%に対し予防内服群では1%と大幅に少なく、統計学的にも明確な差が示されています。この試験結果だけを見れば、健康な方でも一定の発症予防効果が期待できる可能性があります。
このように、低リスクの健康な方への効果については、試験や解析によって結論が分かれており、確立された一律の推奨はまだありません。
メリットとデメリットの整理
メリット
- 発症予防効果が期待できる(特に重症化リスクの高い方では、複数の研究で一致して有効性が示されています)。
- 受験・結婚式など、本人にとって重要な予定を控えている場合に、発症による予定への影響を減らせる可能性があります。
デメリット・留意点
- 重症化リスクの低い健康な方では、効果が「ない、もしくは乏しい」とする新しい解析結果もあり、効果が確実とは言えません。
- 吐き気・嘔吐などの消化器症状が代表的な副作用として報告されています。
- まれに異常行動が報告されており、少なくとも内服後2日間は一人にしない、転落の危険がある場所に一人でいさせないなどの注意が必要です。
- 感染そのものを防ぐわけではないため、内服中も手洗い・マスクなどの基本的な感染対策は必要です。
- 保険診療ではないため、診察料、薬剤料両方が自費になります。
当院の考え方・料金
当院では家庭内の暴露が明らかな方を対象に最もエビデンスのあるタミフル(その他の薬はお選びいただけません)の予防目的の処方を行います。
家庭内曝露後予防投与は、ご希望がある場合はエビデンスに基づいて適切にご案内いたします。
予防内服は、感染そのものを防ぐ薬ではなく、効果にも限界があり、副作用や耐性ウイルスの問題もあります。そのため、「仕事が忙しく休めない」「家事や育児で体調を崩すと大変」といった、日々の仕事や生活上のご事情のみを理由とした予防内服の処方は、当院ではお受けしておりません。
受験・結婚式など、発症すると影響の大きい特別な予定を控えている場合には、ご相談のうえ処方を検討します。ご理解のほどお願いいたします。
料金
診察代(処方箋料込み):5500円(税込)
タミフル10日分:院外処方となりますので、薬局によって異なりますが、およそ3000円弱が相場です。
当院の休日診療は原則急性疾患の方を対象にしております。自費診療を日曜日、祝日にご希望される場合は1回3300円(税込)を診察料に加算させていただきます。ご了承ください。
ご希望・ご不明な点がございましたら、診察時に遠慮なくご相談ください。
この記事の監修者
万願寺ファミリークリニック 院長
濵田 春樹
日本プライマリ・ケア連合学会 認定家庭医療専門医・指導医
日本専門医機構認定 総合診療専門医・指導医
日本在宅医療連合学会在宅医療認定専門医
筑波大学卒業。各種研修を経て、2026年8月に万願寺ファミリークリニックを開院。
参考文献
・Yunli Zhao, et al. Antivirals for post-exposure prophylaxis of influenza: a systematic review and network meta-analysis. Lancet. 2024 Aug 24;404(10454):764-772.
・Tom Jefferson, et al. Neuraminidase inhibitors for preventing and treating influenza in adults and children.Cochrane Database of Systematic reviews.
・Per Olav Vandvik,et al. Summary of WHO clinical practice guidelines for influenza.BMJ. 2026 Feb 27:392:e087397.


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